2018年2月19日月曜日

ΟΙΔΙΠΟΥΣ ΤΙΡΑΝΝΟΣ 4

Thucydides The Peloponnesian War, Loeb Classical Library,Harvard Univ.Press, 1956 PDF

このサイトにはLoeb Classical Libraryをデジタル化したPDFファイルがあります。


[3] τὰ γὰρ πρὸ αὐτῶν καὶ τὰ ἔτι παλαίτερα σαφῶς μὲν εὑρεῖν διὰ χρόνου πλῆθος ἀδύνατα ἦν, ἐκ δὲ τεκμηρίων ὧν ἐπὶ μακρότατον σκοποῦντί μοι πιστεῦσαι ξυμβαίνει, οὐ μεγάλα νομίζω γενέσθαι οὔτε κατὰ τοὺς πολέμους οὔτε ἐς τὰ ἄλλα. これらの戦争に先立つことがら、そしてさらにそれ以前に起こったことについては長い時間が経過しているため、はっきりと知ることは不可能となっている。しかし、証拠について私が徹底して検討したことから判断すると、それらの戦争あるいはその他のことは現在の戦争に比べると重要性は低かったと言える。

διὰ χρόνου πλῆθος 前置詞が対格をとっています。 は中性名詞πλῆθοςを修飾。 of Time, length, “χρόνου” Th.1.1, LSJ

μακρότατος,-τη,-τον最上級

ἐπὶ (μακρότατον) σκοποῦντί μοι 私が徹底して調査した結果

質問

μὲν...δὲ...は何と何を対比していますか?

解答

今起こっている戦争の以前に起こったことに関して、確かに長い時間が経過してしまっていて何が起こっていたのか明確にできない事実と自分が出来るだけの調査をした結果に基づいて言えることを対比しています。

骨格

余計なものを除いた骨格だけにすると次の通りです。筆者は1人称単数に切り替えています。

οὐ μεγάλα νομίζω γενέσθαι.

関係代名詞節

ἐκ δὲ τεκμηρίων ὧν ἐπὶ μακρότατον σκοποῦντί μοι πιστεῦσαι ξυμβαίνει

τεκμηρίων ὧν...関係代名詞は複数属格になっていますが、これは先行詞に引きずられたためで、本来は複数与格: οἶς (τοῖς τεκμηρίοις) πιστεῦσαι 「信じるに足る証拠」

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